【ライブ】Fender presents "Meet the Legend" 無形文化財的なベテラン天才ギタリストCharが背中を見せ 後輩たちを盛り立てる姿にウルウル

 ライブが終わってからチケットをよくよく見ると、こんな長〜いサブタイトルが付いていた。

 

CHAIポルカドットスティングレイの2マンライブに加え、あの世界的ギタリストCharと繰り広げる奇跡のスペシャルセッション&トークショーも! 出演:CHAI & ポルカドットスティングレイ meets Char」

 

 親切と言えば親切だけど、読まないでライブを観て本当によかった。「奇跡のスペシャルセッション」は、事前に知らないから奇跡なんじゃないかと、ふと思ったりする。

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 実はこのライブ、ワンマンで観るほどでもないかな、っていう2つのバンドが同時に観られる!って節約志向でチケットを購入。しかもCharのライブを最後に観てから四半世紀以上。還暦を過ぎ、更に円熟味を増した天才のギター・プレイも聞いてみたい。これってかなりお得じゃない? そんな軽い気持ちだった。

 最初に演奏したのは、ポルカドットスティングレイ。個人的な印象は、音圧が弱い(迫力がない)、個性がウリのボーカルもアウェイなジョイント・ライブで空回り気味、加えてギターの音がトロピカル過ぎ。ポロポロしてて、カリブ海のリズムにはピッタリだけど、ロックにはちょっとね...。しかし、ギターに関する感想は、後ほど的ハズレだったことが明らかになる。

 ちなみにギター担当のハルシくんは、ポルカに加入した時19歳。ラドウィンプスが弾きたくて、ギターを(バンドを?!) 始めたとか。そういう世代になったのね〜と、感無量。

 CHAI は、初めて感とデジャヴが入り乱れたような、とっても興味深いライブだった。Devoに影響を受けたんだそう。

 Devoは1980年代前半、空前のニューウェーブ・ブームだったころ、一瞬大活躍したテクノ・ユニット。もちろん、彼女たちは生まれていない。どうやって知ったのか、よく覚えていないよう。

Devo - Whip It (Video) - YouTube

CHAI - N.E.O. - Official Music Video - YouTube

「私の目は小さい」とか「私の脚は短い」とか、キーボードのマナちゃんが英語で言うと、ベースのユウキちゃんが機械翻訳のような日本語で訳す。「でもラブリー💕」と続ける。「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」というコンセプトを掲げて活動しているそう。この辺りを引用するとかなり長くなるので、興味ある人は (あんまり事前に調べずに) ライブ体験をオススメします。コンプレックスが原動力になる!って発想、いいにゃ💕

 海外でも大ウケ!って、よくわかる気がする。オリエンタルで、キッチュ。彼女たちのライブ観てて思い出したのは、1980年代前半に活躍したThe Waitresses というバンド。

The Waitresses- I Know What Boys Like - YouTube

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 そしていよいよ、伝説のギタリスト Char 登場!!! 

 「うまいぜ、ものすごく」。

 演奏が始まる前、後ろにいた若そうな男のコの声が聞こえた。くくっ、Charを知らない若者よ、聴くがいい、ジジイの魂を! とか何とか自分が弾くわけでもないのに心の中で呟いていたら、演奏が始まった。もちろん、ギター、ベース、ドラムのスリーピース。

 骨太。音が厚い、熱い。それでいてシブい、いぶし銀。彼のギタープレイを形容するのは、カンタンじゃない。「うまいぜ、ものすごく」。それだけでいいんじゃないかと思った。ロックだもんね。

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 トリは伝説のセッション。

 ポルカからはギターのハルシとベースのユウキ。CHAI からは、マナちゃん、カナちゃんがコーラスで参加。演奏するのは、もちろん名曲 "SMOKY"。日本のロックを変えた伝説の1曲ね。

 ひしひしと感じたのは、世代性。Charが、ロック・レジェンドとして生き抜いてきた中で蓄積されたエッセンスを、後輩たちに伝えようとしている。無形天然記念物っていうか、人間国宝ではないけれど、カタチとしては残せない、やっぱり無形文化財なんだと思う。ベテラン天才ギタリストの背中を見せて、後輩たちを盛り立てる彼の姿を思い出すと、ウルウルしてしまう。

 さっき、自分のバンドじゃポロポロとトロピカルな音を出していたハルシが、ロック・ギタリストに変身する。ディストーションを効かせて、ソロで速弾き。チョーキングでネックを上げ、(若干)自己陶酔。

 「おう、まあまあだな」とCharに言われ、照れたようにうつむくハルシ。彼にとって、かけがえのない、とんでもない体験になったことだろう。

 Charは昔と変わらない白いハットをかぶっている。彼は、前のオリンピック(1964年)の頃、ギターを始めたんだそう。なんだかキース・リチャーズ化してる気もするし。とんでもないギター・テクニックも、歌う声も変わらないけれど、Charだって歳は取るんだ。トークショーで、Charはこんなコトも言ってたっけ。

「次回は、Char、Chai、Chabo、Chay、茶尽くしの大競演なんて、どう? スポンサーは伊藤園(笑)」

(CHAI を評して)

「リズムがごつい。低音大好き少女だね」

(なつかしいなぁ。◯◯大好き少女、という表現!もろ1980年代)

 CHAI とのトークショーは、まるで孫?娘との会話。Charの話を聞いて、「カッコいい!」「カワイイ!」を連発。彼女たち、聞き上手。いい気持ちにさせるのが、上手。あれじゃ、おじさんはたまらにゃい。表情は見えなかったけど、鼻の下、伸ばしてるんだろう。

 3時間の大セッション・ライブ。思いがけない発見と感動に満ち満ちたひととき。予定調和から大きくはみ出した、素晴らしさ(^^)

 今はサブスクがあるから、帰りの電車の中でさっそくCharのファーストアルバム(1976) を聴き直す。以来、ヘビロテ中。やっぱ、天才だ。