【映画 ・ネタバレあり】The Crossing (ザ・クロッシング) Part I & II 合計上映時間4時間15分!激動の国共内戦時代を背景に純愛を描く大河ロマン!

 最近、ライブはたくさん観ているけど、振り返ってみると、ほとんど映画を観ていない。直近で観たのは、3月。しかも『翔んで埼玉』(^_-)。

 そうだ、ずーっと前にネットで予告編を見かけて、観ようと心に決めた作品があった。心に決めた...なんて、ちょいと大袈裟に書いたのは、大長編だから。Part I & II合わせて、にゃんと!4時間15分。常々、映画は1時間40分位がちょうどいい、と思っている派なので、どんなに魅力的な作品でも、大長編は大抵観ない。

 にもかかわらず行った理由の一つは、金城(武)くんが出演しているから。かつて『恋する惑星』でノックアウトされて以来だからファン歴は長いが、かなりご無沙汰気味。

 チャン・ツィーの存在も大きい。

 あと、あらすじに書かれていた「額縁の裏から、日記を発見...」というくだりがメロドラマ好きには、たまらなく魅力。

 そしてもう一つの理由は、あの時代、中国大陸で起こった出来事に惹かれるから。上海通いをしていた時期もあり、川島芳子が常宿としていたと言われる「上海大厦」に泊まったこともあったっけ。

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f:id:megmikke:20190704103616j:image 1990年代の一時期「なんちゃって香港映画ファン」だったあたし。実は巨匠ジョン・ウーのことはよく知らない。が、映画が始まってみると、とんでもない重奏感。深みも厚みも、ものすごい。総製作費約76億円っていうのは、観終わってから知ったんだけど、たくさんのお金を集めてスケールの大きな映画を撮れる超巨匠だと言うことは、観てるだけで、よーくわかった。

 そして、金城くん、チャン・ツィーだけではなく、キャストの素晴らしさが、際立っていた!日本、中国、台湾、韓国...。さすが、アジアのスター達が集結しただけのことがある。特に、国民党の将校役ホアン・シャオミンのいいオトコっぷりと、チャン・ツィーと偽装結婚した役のトン・ダーウェイの人柄とことんよさそうキャラが印象的。

 ホアンは、こんなにいいオトコに、今まで気づかずに生きてきたなんて、人生の大きな損失だと思ったほど。トンは、とにかくいい人っぽさ全開。こういう人とケッコンしてたら...どんな人生を送っただろう...なんて妄想したりしちゃうくらい。そうそう、長澤まさみも、出演しています。

そんなわけで、普段、パンフレットは買わないんだけど「残り3部です!」の声に、すっかり煽られ、ひさびさ購入。

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f:id:megmikke:20190704111340j:image チャン・ツィーは、大人になって、パッと見た感じは地味だけど、人間味がじわーっと滲み出るような、奥深い演技をしてた。それと、金城くんの兄嫁役。大地にドシッと根が生えたような存在感が印象に残った彼女は、ジョン・ウー監督の次女なんだそう。

 

 パート1終了後、エレベーターに乗り合わせたおじさんが言った。

「いやあ、さすがジョン・ウー、たいしたもんだ」。

 そして、パート2を見終わって乗ったエレベーターでも、同じおじさんと一緒になった。

「パート1と2で、かぶっている場面が多過ぎる」。

 エレベーターの扉が閉まるか閉まらないかのタイミングで、彼は持論を展開した。同意を求められた女性は、ちと困惑し、あたしの顔を見る。

「最後のほうなんて、タイタニックだよな、まさに」。

 そう、その通り!彼の指摘は的を得ている。

 エレベーターに乗っている数十秒の間に、的確な批評をするって、すごい。映画の中に入り込み、1940年代の人になりそうだったあたしは、ちょっとホッとして、エレベーターを降り、いつもの新宿の街に出た。