亀戸に行ったら大オススメの定食ランチ 出会う喜び

 7〜8年前のこと。旅行サイトを運営している人が言っていた。「例えば、読者は香港で一番おいしいお店はどこですか?と、平気で質問してくる。一番おいしいのはその人の味覚にもよるし、そもそも一番なんてあるんだろうか。若い人たちは【ハズしたくない】という意識が強いのでは?」

 とっても印象に残った。

 おいしければ、おいしいほうがいい。評判が高いお店にもたくさん行き、おいしいものもたくさん食べたけど、検索しておいしいお店に行くことに、ちょっと飽きた。おいしいと評判のお店がおいしいのは当たり前。人生、いいとこ取りじゃ終わらない。当たって、ハズレて、学んで、たくましくなり、生きていく。

 なので、時々、昔に戻ってみる。駅を出たら、まわりを見回す。どのあたりによさそうなお店があるか、鼻をクンクンする。フラッと歩いてみる。そんなアナログなひと時は、懐かしくて、ちょいとトキメク。

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f:id:megmikke:20190227124204j:image そのお店は亀戸駅の南側、線路に沿って続く昭和な飲み屋街にあった。キレイな建物だけど、中がまったく見えないので、入るのにちょいと勇気がいる。お店の名前も見当たらない。恐る恐るドアを開けると、いきなりママが言う。

「肉じゃがは終わったよ。さば味噌煮、しゃけ西京焼、さんま開き」。選択を迫られる。ママは気っ風がよく、竹を割ったようなイメージ。さば味噌煮を選択。「サンキュー!」を多用するのもかわいい。バリバリの東北弁。

 お味噌汁、大量のご飯、たっぷりお漬物、出汁の効いた小鉢、メインのサバ味噌煮で、にゃんと!破格の600円。おふくろの味。絶品。

 2回めに行ったときは「おねえちゃん(メニューは)決まった?」「おねえちゃん、お待たせ」と、ひさびさ「おねえちゃん」と(2回も)呼ばれて、大感動の巻。

 お店の名前を訊こうかと思ったけど、サバサバ働くママを見ていると、名前なんてどうでもいいような気になってきた。亀戸駅改札出て、徒歩2〜3分なので、お近くに行ったら、ぜひぜひ:)

f:id:megmikke:20190227192827j:image 近くには、ちょいと色っぽい感じの建物もある。