バスの窓から見えた超昭和な喫茶店〜モカ

 西新井方面から北千住に向かうバスの窓から、昭和な風景が見えた。

 古い民家に暖簾。蕎麦屋かと思ったら「コーヒー」の文字。超レトロな雰囲気。思いっきりそそられた。こりゃ、ぜひとも入ってみたい!

f:id:megmikke:20181030234639j:image お店に入ると実直そうなマスターが迎えてくれた。初めてのお店では、訊いてみるのが一番。

「やっぱりモカがオススメですか?」

(間)

「いや〜、そういうわけでもないですね〜」

(間)

「何かオススメって、ありますか?」

(間)

「うーん、特にないですね」

 朴訥だろうと予想していたが、まさかここまで飾り気がないとは!商魂たくましく、細かく、緻密に商売する人が増えている昨今、向田邦子のドラマのような「間」が、たまらなく懐かしい。

 お店に入ったときのマスターのセリフ。

「さっきは、雨がポツポツ来てましたけど、よかったですね。強くならなくて」

 お店を出るときのマスターのセリフ。

「雨が降ってきたみたいですよ。さっき、音がしてました」

 昔ながらの喫茶店風情の店内は、全面喫煙可。なぜか、自信たっぷりに、マスターはあたしのテーブルに灰皿を置いた。お店の中の写真は撮らなかった けど「おばけ煙突」のモノクロ写真が飾ってあった。

おばけ煙突」は、かつてこの辺りにあった千住火力発電所の4本の煙突のこと。見る方向によって1本に見えたり、2本に見えたり、3本に見えたり、ちゃんと4本に見えたりすることから、そんなあだ名がついたとか。「千住火力発電所」で検索すると、のけぞるほど詳しいウィキペディアの解説が出てきます。

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 お手洗いは和式。靴を脱いで入る。木の扉。スライドさせて閉める鍵。タイルの床。あぁ...懐かしい...。

 リアル昭和を知らな若い女のコ2人組も来ていた。インスタ映え、狙い?! ありのまま昭和なお店だから、雰囲気を味わうには絶好。

「築どのくらいですか?」とマスターに訊いてみた。

「いやぁもう..... 半世紀以上」。

 そんな答えが、短く返ってきた。

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 北千住から歩くと25分くらいだそう。バス停「千住桜木」の目の前です。

2018/10/19