カンボジア映画「シアター・プノンペン」

夜な夜なボーイフレンドと遊びまわる、セクシーな女子大生ソポンだが、お気楽そうに見える彼女にも悩みが。精神的に不安定で体調がすぐれない母、厳格過ぎる軍人の父が問答無用に押しつけてくる縁談。
 
そんなある日、ふと迷い込んだ廃墟のような映画館で、映写技師だという謎の老人と出会う。ポル・ポト派カンボジアを支配する前年に撮影された映画は、最終巻が行方不明だという。その映画には自分とそっくりな女性が。なんと!ソポンの母は、かつて女優として活躍していたのだった。
 
失われたラストシーンを撮影し直そうと東奔西走する彼女の前に、秘められた過去が次々と浮かび上がってくる。一見高圧的に見える父の苦悩、秘められた母の恋、嘘と罪、そして...。
 
 
国民の4分の1が命を失い、犠牲者は300万人とも言われるクメール・ルージュの圧政。とりわけ知識人、芸術家は標的となり、主人公ソポンの母を演じているディ・サヴェットは、内戦を生き延びた唯一の女優だそう。
 
若い世代から見た自国の負の歴史を現在の実体験として描きつつ、親の世代の秘められた過去が次第に明らかにされていく。時空を超えた、壮大なヒューマン・ドラマ!
 
母と娘の一人二役を演じるのは、新進気鋭の女優マー・リネット。今どきの若いコのザラザラしたエネルギーと、しっとりほんのり漂う色気が魅力的な若かったころの母を、見事に演じ分けてます。
 
そして、ソト・クォーリーカー監督は、アンジェリーナ・ジョリー主演作のラインプロデューサーを務めるなど、ハリウッドで活躍後、帰国。カンボジア初の女性監督として、この作品を製作したんだそう。
 
ロケで撮影されたという路地裏の風景、旅情をかきたてられるなぁ。暑い国、途上国の首都に共通するねっとりした感覚が、スクリーンから伝わってきた。

8/20からは横浜ジャック&ベティ、10月には下高井戸シネマ、他全国各地で上映予定。
お近くで観る機会があれば、ぜひ!

http://www.t-phnompenh.com/


追記:ひさびさの岩波シネマ
壁に貼られた公開された映画のポスターたち。
「マルチニックの少年」、懐かしいなぁ。
この映画がきっかけで、マルティニーク島に行ったんだっけ。
1980年代後半、ワールド・ミュージックがブームになったときは、カリとか、マラヴォワとか、カリブ海に浮かぶ、この島出身のミュージシャンが、J-WAVEでよく流れてた。
マルティニーク」じゃなくて「マルチニック」なのが、時代を感じたりして(^^♪