2年前ほど前のこと。頭がぼーっとしたり、物忘れが(いっそう)激しくなってきたので、脳神経外科に行ってみた。
待合室で待っていると、隣りに座ったおばさまに、思いっきり話しかけられた。あちこち痛かったり、なんとなく調子がすぐれないという。
ただ、話の内容が辛気臭い割には、話しっぷりがパワー全開。「元気なおばちゃん」以外の何者でもないと思うんだけど。こういう「なんとなく調子がよくないお年頃」を不定愁訴って言うんだってね。最近、知りました。
おばさまは、聞いている聞いていないに関わらず、話し続ける。
「こないだ先生に『頸動脈のあたりに違和感を感じるんです』って言ったら、『頸動脈は首の前側よ。首の後ろは、ただのコリ』って、言われちゃったわ。あっはっは!」
我が身にも、当てはまる。そっか、首の後ろは、ただのコリか。
そうこうしているうちに、診察の順番がやって来た。
「なんか最近、頭がぼーっとするんです。忘れることも増えました。手が痺れることもあるんです。脳に異常があるんじゃないかと思って(語る、語る、語るあたし)」
女医さんは、カルテをちゃちゃっと見ながら言った。
「2年前にもいらっしゃってますね。ちょうど今頃の季節です。その時も同じことを言ってました。頭がぼーっとする。物忘れが多い。手が痺れる。
それだけ喋って、脳はないでしょう。脳に異常があった場合は、必ず言葉が出にくくなります。肩や首のコリは、どうですか?」
「あります!あります!(語る、語る)」
「では、脳ではなく、首の可能性が高いので、今日はなかったことにしましょう」
「なかったこと?」
「診療は受けなかったことにするので、支払いはありません。当院では最近、首専門外来ができたので、受診してください。では、お大事に」
後日、首専門外来を受診。案の定と言うべきか、様子見となった。
脳診療?をタダにしていただき、ありがとうございました♪
2年前ごとの受診をするべきか、寄る年波なのか、それとも肩の力を抜くだけでいいのか。ついつい入っちゃうんだよなぁ、肩に力。